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片翼つぶれ

サイドコラップスについての考察

サイドコラップスは、フロントコラップスよりやっかいなことが多い。フロントコラップスは一瞬翼がなくなるが、たいていバンザイしていれば翼は自然と回復してそのまま飛行してくれます。

サイドコラップスはどうでしょうか? バサッと潰れて、すぐに回復してくれればそれでOKですが、上手く回復しないと旋回に入ってしまうのがややこしいのです。

2015年8月1日の白馬八方の事故は、片翼潰れからオートローテーション、スパイラルとなりガレ場に激突したといわれています。フライト中に片翼が大きく潰される ことは多くの方が経験していると思います。たいていの場合は何もしなくてもそのまま回復してフライトできるのですが、クラバットした場合は自然には回復し てくれません。この場合は、まず安定して片翼でフライトさせることです。そのためには、体重移動そして必要ならばブレーク操作をします。翼の面積が半分に なったぐらいでは、問題なく滑空できますので、この状態でまっすぐ飛ばしてから潰れた翼の回復操作を行います。

スイスのミハエル・ネスラーというインストラクターはつぶれた場合とっさに生きている翼のカラビナをブレークコードを持った手で握ることを推奨していま す。ネスラーグラブとも呼ばれていますが、そうすることで、体重を生きている翼側にかけることができる同時に、適度にブレークを引き込んで直線飛行ができ るとのこと、ただし、EN Cとか EN Dではこれだとブレーク引きすぎになるので、その場合は生きているライザーを脇に抱えて体重移動をしつつブレークを操作すればよいと言って います。

クラバットの状態の回復ですが、ブレークコードだけでは治りません。ブレークコードを引き切るようなポンピングでも回復しないのであれば、ブレークトグル をリリースして、スタビライザーラインを引きます。日頃からスタビライザーがどのライザーに接続されているかを確認しておくとよいでしょう。

もし、回転が始まったら慌てないで外側のブレークを引きます。片手では重くて引けない時は、内側のブレークを離して両手で引きます。重いですが頑張って引 くと回転は徐々に止まります。これができないときは、すぐにレスキューグリップをつかみレスキューを開傘するしかありません。躊躇していると遠心力が増し て、レスキューグリップに手が届かなかったり、届いてもレスキューが引き出せなくなくなったりしますので、素早い決断が必要です。

安全なフライトを心がけましょう。