無線機について
パラグライダーのフライトで利用する無線機について
このページでは、パラグライダーでのフライトに用いルことのできる無線機とその役割について考えています。
なぜ無線機を持って飛ぶのか?
講習生の時は、インストラクターから様々な指示を受けるために無線機を持って飛んでいましたが、では、パイロットになると無線機は必要ないのでしょうか? いえ、空中で風向や風速などのコンディションを伝えたり、ランディング風の様子をうかがったりと無線機を持っていれば様々な利用が可能です。また、クロスカントリー飛行への出発を連絡したり、着離陸地点の連絡をすることもできます。テイクオフで本人が来たついていないラインの絡みを、無線で知らせてもらえることもあるかもしれません。無線機は必ず装備し,空中でも送信できるようにしておきましょう。 空中での送信には、ヘルメットにヘッドセットをとマイクをセットするとか、スピーカーマイクロフォンを使うなどの方法があります。自分でやりやすい方法を見つけて下さい。 ヘルメットにPTTをセットするとブレークコードから手を離さず、送信できるメリットがあります。
パラグライダーで利用できる無線機
デジタル簡易登録機(上空用)
上空での使用を認められたデジタル簡易無線機です。業務用にも用いることができるので、スクーリングなどにも用いることができます。上空用に5チャンネルが割り当てられています。上空用のトランシーバーはスタンダードからのみ発売されています。若干大きめなのが欠点ですが、出力は1Wあり、電波はアマチュア無線の次によく飛びます。
アマチュア無線機
アマチュア無線の免許を必要としますが、無線機も比較的安く、販売されています。アマチュア無線機ですので、アマチュア業務以外の使用は認められていません。したがって、スクーリングなどには用いることはできません。アマチュア業務とは、金銭上の利益のためでなく、もっぱら個人的に無線技術に興味を持ち、正当に許可された者が行う自己訓練、通信及び技術的研究の業務(第1条第78項)と定義されていますが、この解釈がいろいろ問題となっているようです。いずれにせよ、フライヤー同士が、正しくコールサインを付して、フライト中に無線交信するのが第一です。
特定小電力無線機
こちらは用途を限定せずに手軽に使える無線機ですが、上空での使用を想定していないので問題となっています。つまり、正確にはフライト中は電波を発してはいけないのです(受信は可能)。ただ、免許不要で手軽に利用できる点から広く普及しているのも事実です。今後はデジタルに移行することになると思います。
携帯電話と無線の違い
連絡手段という点では携帯電話も有効な手段で、フライトには必ず携行したいものです、では携帯電話があれば無線機は不要でしょうか? そうではありません。 携帯電話が特定の話者と1体1の対話であるのに対して、無線通信は同じ周波数を聞いている人には聞こえています。 ランディングの風や空域のコンディションなどを一度に多くのフライヤーに伝達できるメリットがあります。 また、普通携帯電話をフライト中に使う人は少ないでしょうし、電話をかけるのも大変です。 一方、無線電波の届かない山陰に不時着した場合などは、携帯電話の方が便利な場合があります。 どちらも、携行してフライトしましょう。
どの無線を利用するべきか
それなりに、電波が遠くまで届いて業務用途にも使え、上空でも電波を出すことが出来るという点では、ディジタル簡易登録局が良いということになります。ただし、機種が1種類しかなく大きくて重いという欠点があります。スクールと併設しているエリアでは、デジタル無線が標準となっている場合も多く、あちこちフライトしに行く場合には、持っておくと良いでしょう。サイズ以外は良いことばかりのように思えるデジタル登録局ですが、海外では利用できないという欠点があります。残念ながら、この無線機は日本国内でしか利用できません。無線機を持って行けばお互いに通信はできると思いますが、現地の法律では認められていないので、捕まるかも? また、海外のフライヤーはアナログの無線をまだ使っているので、海外のフライヤーとの交信も出来ないという欠点があります。
海外でフライトするときに必需品は144メガヘルツ帯のアマチュア無線機です。日本では430メガヘルツ帯のほうがよく利用されていますが、海外では144メガヘルツ帯のほうがよく使われています。また、風向風速をこのあたりのバンドで自動的音声で流しているサイトもあります。また、日本でもアマチュア業務の範囲内で上空から電波を発信することが出来ます。この無線機はアマチュア無線従事者免許と無線局の免許(コールサイン)が必要です。従事者免許は試験を受けるか講習会を受けることでもらえます。あとは、無線機を購入してアマチュア局の免許(コールサイン)を申請して開局です。日本で免許を受けていれば、相互運用を認めている、フランスやアメリカでは特に申請無しに無線局を運用することが出来ます。海外でフライトを考えている場合は、デジタル登録無線機とアマチュア無線(144メガヘルツ帯と430メガヘルツ帯のデュアルバンド機)を購入しておくと便利でしょう。